Wath´s 野菜のタネ?
野菜がどんなタネから栽培されているか、あなたは知っていますか?
自家採種
自家採種
自家採種
自家採種
現在の主流!
「雄性不稔」のF1種って?
あなたは普段、野菜がどんなタネから栽培されているかを、意識したことがありますか?
おそらく、野菜の大きさや見た目の良さ、肥料や農薬の使用量、農法に注目することはあっても、栽培される野菜のタネにまで注目している人はほとんどいません。
野菜がどんなタネから栽培されているかを知れば、野菜に規格が設けられた理由や、肥料・農薬などの薬剤を用いる本音が見えてきます!
野菜のタネには種類があるの?
野菜には3種類のタネがあります
国内生産者の約99%が採用。
野菜の規格が設けられたことで誕生しました。雄性不稔(ゆうせいふねん)という、生まれつき生殖機能を持たない性質のタネを基盤にして、異なる2種以上の品種を人工交配した1代限りのタネ。
野菜を規格に合わせやすいが、タネが採れないため毎年タネを購入する必要があります。
国内生産者の約1%が採用。
いわゆる普通のタネ(原種)。自然交配を繰り返してタネを残すため、永続的な栽培が可能です。
ちなみに、固定種・在来種のタネから育つ野菜を伝統野菜と呼びます。
現在、GM種を採用した国内での栽培は禁止されています。(ただし、TPP法案可決後は未知数です)
異種間の遺伝子を人工的に操作して組み替えられた1代限りのタネ。
自家採種できないため、毎年タネを購入する必要があります。
◆「F1種」◆
◆「固定種・在来種」◆
◆「GM種」(遺伝子組み換え種子)◆
※以降、「固定種」で統一
いずれのタネも見分けやすくするために、赤や青、緑色にカラーコーティングしていたり、発芽前に枯れたり病害虫から守るために、種子消毒(農薬)を施している場合があるよ!
ちなみに、種子消毒していないタネは黒や茶色、枯れ草色など自然な色をしているよ
(First Filial jeneration/1代交配種)
F1種のタネって?
スーパーに並んでいる野菜って、工業製品のように大きさも色も形もみな均一に揃っているよね。 旬の野菜が年中楽しめるし、フルーツのように甘く、苦みが少なくて食べやすい野菜ばかり。
これぞまさに、F1種の成せるワザ!
ズバリ、野菜に規格が設けられたことで誕生したんです。
選択の余地もなく、わたしたちが日常的に食べている野菜ですぞ!
F1種の正式名称は『First Filial Jeneration』。日本語で『雑種1代』、『1代交配種』を意味します。 雄性不稔(ゆうせいふねん)という、生まれつき生殖機能を持たない性質のタネを基盤にして、異なる2種以上の品種を用いて人工交配されています。
※雄性不稔とは、生まれつき雄しべがなく、花粉がつくれない状態のこと。自家受粉できないからタネが残せません(1代限り)。人間で例えると無精子症のことです。
最大の特徴はF1種の“1”にあり、ここに2つの意味があります。
1つ目は、異なる特性の親同士を人工交配したタネの“初代(1代目)”を意味する“1”。
2つ目は、自家採種しても2代目(F2)が育めないタネを意味する“1代限り”の“1”です。
仮にF1種のタネが摂れて翌年植えても、成長しない&実を付けないことが多いし、たとえ育っても遺伝の性質上(メンデルの法則)、色・形・大きさ、生育のスピードはバラバラで、1代目のタネと同じ品質が保てず、規格外野菜になってしまうんですぞ!
つまりF1種のタネって、1代限りで役目を終える子孫を残せないタネってこと。
そのため、毎年タネを買う必要があるし、農協などに流通させる場合は、必ず指定された肥料と農薬をセットで購入するのが条件なんです、はい!
※「自家採種」とは、自分で育てた野菜や植物のタネを毎年採り続けること
F1種のメリット
メリット
おかげで、農家にとっては栽培の手間が軽減されたし、
市場には季節を問わず規格揃いの野菜が並び、日持ちや病気に強い野菜が生まれたことで
全国出荷も可能になるなど、ボクら消費者も多くの恩恵を受けてるんやで!
1960年代を境に大量生産・大量消費のニーズを受けて、野菜に規格が設けられました。
それにより、登場したのがF1種です。
野菜に規格を設けたことで、
色・形・大きさ・見た目の良さ・日持ちの良さ・食べやすさ・生育スピードの均一化・運びやすさなど、
まるで工業製品のように野菜が均一化され、
今や市場の99%の野菜がF1種のタネから栽培されています。
野菜の色・形・大きさの規格化&大量生産により全国出荷が可能 ➡ 市場&流通が潤う
野菜の生育スピードの均一化 ➡ 生産農家の手間が省ける
病害虫や日持ちに耐えうる野菜 ➡ 生産農家の手間が省ける
F1種と化学合成農薬・化学肥料をセット販売 ➡ JA等市場が潤う
野菜の糖度や青臭さを調節&年中、旬野菜が味わえる ➡ 消費者が喜ぶ
F1種のデメリット
デメリット
1代で役目を終えるタネやから、毎年タネを買う必要があるんやで!
野菜に規格を設けたため、必ず規格外野菜が生まれます。
それにより、毎年約1,000万トンもの規格外野菜が廃棄処分されています!
また、F1種のタネから育つ野菜の栄養価は、固定種のタネよりも約1/3ほど低下します。
なぜなら、大量生産のために生育スピードを均一化し、収穫量を確保するために栽培期間を短く設計しているため、
土から吸収する栄養分が減るからです。
さらに、葉緑体による光合成の時間が短く、細胞の密度も粗くなるため、
ビタミンCなどの栄養素が低くなり、野菜の味は大味です。(消費者のニーズに合わせて糖度は高めに設計)
そして意外にも、固定種よりF1種の方が病気に弱いと言われています。
なぜなら、固定種のように自然交配を繰り返し、病気に対するさまざまな免疫を持たないため、
耐性がない病気が発生すると非常にもろいからです。
ちなみに、化学肥料と化学合成農薬(殺虫剤)・除草剤をセットで用いることを原則とし、
(農協などで流通させる場合は、必ず指定された薬剤とセット購入するという条件があります)
薬剤にも耐えうるように交配されているため、年々、土の栄養分が減り、
土壌や生態系の破壊・環境汚染の一因となっています。
また、肥料過多による副作用で野菜に含有する硝酸態窒素の濃度が高くなるため、
生活習慣病を発症させるリスクが懸念されています。
1代限りのタネ ➡ 循環しない不自然なタネ。毎年タネの購入が必要で経済的に負担
野菜の規格化 ➡ 年間約1,000万トンの規格外野菜が廃棄。農家&国にとって負担
野菜の栄養価が低く、含有する硝酸態窒素の濃度が高い ➡ 消費者の健康面が不安
病気に弱い ➡ 農家にとって薬剤の負担がかかる
F1種と化学合成農薬・化学肥料をセット販売 ➡ 農家の経済的負担&消費者の健康不安土の栄養分が減り、土壌と環境汚染が懸念される ➡ 生産農家が疲弊する
野菜に限らず、利便性の追求はさまざまな恩恵をもたらす反面、弊害も被るのが宿命なんだ。
F1種も例外ではないよ!
なぜなら現在のF1種は、遺伝子が傷ついたことで起こる『雄性不稔』(ゆうせいふねん)というミトコンドリアに異常がある不自然な野菜だから!
現在の主流! 「雄性不稔」のF1種って?
1960年頃のF1種は、お父さんとお母さんの長所をかけ合わせた単なるハーフのタネだったの。でも、現在のF1種のタネは違うのよ!
生まれつき生殖機能が存在しない雄性不稔(ゆうせいふねん)というミトコンドリアに異常がある性質のタネを人工的に増殖させて作っているの。
今や玉ねぎをはじめ人参、トウモロコシ、ジャガイモ、ネギ、大根、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、トマト、白菜、シシトウ、ピーマン、ナス、オクラ、春菊、レタス、インゲン、テンサイ(砂糖)、稲でさえも雄性不稔のF1種よ! 近い将来、すべての野菜が雄性不稔のF1種になると言われているわ!
『雄性不稔(ゆうせいふねん)』。聞き慣れない言葉ですよね。『雄性』とは生物学用語でオス(男)の性質を意味し、『不稔』とは花が咲いても種子ができない現象のこと。
つまり『雄性不稔』の野菜(F1種)とは、生まれつき雄しべがなく、花粉をつくることができない(自家受粉できない)ため、子孫(タネ)を残すことが不可能な野菜なのです。
人間で例えると、精子がつくれない無精子症のことです。
『雄性不稔』の原因はミトコンドリアの異常であり、遺伝子が傷つくことで起こります。これは自然界で突然起きる現象(突然変異)です。この性質を利用したのが現在のF1種!
タネに放射線を当てて遺伝子の損傷を誘発させるなどの技術を駆使して、人工的に雄性不稔のタネを開発していますそそして、わたしたちは雄性不稔のF1種の野菜を日常的に食べています!
さて、F1種をつくる過程で雄性不稔の性質を利用することはじつに好都合です。なぜなら、タネには自家受粉という性質があり、放っておくと同じ品種同士で受粉してしまうからです。
けれども、最初から雄しべがなく自家受粉できない優性不稔の野菜を利用すれば、ピンセットで雄しべを抜き取る作業や交配時の手間も人件費も省けます。
次第に雄性不稔の性質を利用したF1種のニーズが高まり、クローン技術で増やした雄性不稔の野菜だけを用いて人工交配するようになりました。
ボクたちは日々、子孫が残せない異常な野菜を食べ続けているんです、はい
固定種のタネって?
1950年代までは、固定種(在来種)のタネしか存在していませんでした。
固定種(在来種)とは、人工交配されていない普通のタネのことです。
自家採種(タネ採り)でき、採れたタネを植えて永続的な栽培が可能です。
ちなみに!
基本的に固定種・在来種は同じ属性のタネだけど、区分けすることがあるのよ。
「固定種」とは、何世代にも渡って自然交配を繰り返しながら、その土地で遺伝子が固定したタネのこと。おもにタネ屋さんが管理してきたの。
「在来種」とは、京野菜など地方で採れる伝統野菜のことを言い、何世代にも渡って自然交配を繰り返しながら、その土地で遺伝子が固定したタネのこと。おもに農家さんが管理してきたの
固定種・在来種は育成的に同じだし、在来種を総称して固定種ということもあるので、当法人では「固定種・在来種」の表記を「固定種」に統一するよ!
固定種のメリット
メリット
固定種の野菜には規格がなく、規格外野菜も生まれません!
そして、最大の特徴はタネが採れる(自家採種できる)ことです。
一度蒔いたら、翌年のタネを購入しなくても永続的に栽培が可能です。
また、F1種よりも固定種の方が病気に強いと言われています。なぜなら、何世代にも渡って自然交配を繰り返し、病気に対するさまざまな耐性を持っているからです。
さらに、タネ自身が持つ免疫力が高いため、肥料や農薬・水やりが不要で育ちやすいだけでなく、土壌の環境に順応しながら育つ性質があるため、災害時や家庭菜園にも最適なタネです。
そのうえ、肥料過多になるリスクが低いため、野菜に含有する硝酸態窒素の濃度も低く保てるから安全です。
※野菜に含有する硝酸態窒素の濃度が高いと、がんをはじめ糖尿病などの生活習慣病を誘発しやすくなります
一方、栽培期間がF1種の約1.5倍近くかかる反面、土から栄養分を吸収する時間や葉緑体による光合成の時間が長いため、栄養価はF1種の約1/3ほど高くなります。
そのうえ、栽培期間が長い分、細胞の密度が細かくなるため、味が濃く、野菜本来の滋味深い旨みがあり、焼いたり蒸すだけの簡単調理で十分楽しめて経済的です。
肥料や農薬・草刈り・水やりが不要でも、タネ自身の免疫力を発揮しながら根を張り、逞しく育つ性質を備えているし、栄養価も豊富。
それに、毎年タネを買う必要がないから、家庭菜園には超オススメなんだ!
年月を経るほどに、タネはその土壌と環境に順応して、病害虫にも強くなる性質があるから、
できるだけ毎年、野菜の1割をタネとして残し、永続的に栽培してほしいな。それこそが、絶滅の危機にある固定種を温存する第一歩となるんだ!
自家採種できる&病害虫に強い ➡ 毎年タネの購入が不要で永続的に栽培可能。タネ代&農薬等の薬剤負担が軽減
野菜の栄養価がF1種より約1/3高く、硝酸態窒素の含有率が低い ➡ 消費者の健康面に有利
味が濃く、野菜本来の旨み ➡ 簡単調理でも美味! 消費者にとってありがたい
化学合成農薬・化学肥料・水やり不要でも育つ性質 ➡ 消費者と環境にやさしく経済軽減
土壌の環境に順応し、自然災害に強い! ➡ 災害時不安の軽減。家庭菜園に最適!
野菜に規格がない ➡ 規格外野菜が生まれない
固定種のデメリット
デメリット
固定種の野菜には規格がなく、色・形・大きさや生育スピードにバラつきがあります。
そのため、現在の流通市場では規格外野菜の対象となるため、市場に出回ることはほぼありません。収穫量もF1種の約1/3ほどで、天候や風土に左右されるため不安定です。
旬の時期に旬の野菜だけを栽培するため、季節限定の野菜となります。
色・形・大きさがバラバラ(規格外) ➡ 市場に流通できずスーパーでの購入が難しい。直売がほとんど
生育にバラつきがあり、収穫量はF1種の約1/3 ➡ 希少のため割高
絶滅の危機 ➡ 唯一、子孫が残せるタネが絶滅すると、最悪の場合、食料難&飢餓が起こる
このように、固定種の野菜には規格がなく、同じタネでも1粒ずつ人間のように個性があり、育つ順番も収穫の順番もバラバラです。
次第に、市場のニーズや流通に合わなくなり、1960年代にF1種へと移行していきました。
それにより、固定種のタネで野菜を栽培する農家や生産者の数も減り、今や固定種は絶滅の危機に瀕しています。
もし、災害などで種苗会社が機能しなくなり、F1種のタネが供給できなくなった場合、F1種のタネは自家採種(タネ採り)できないから、翌年の栽培ができず、食料難や飢餓が起こる可能性だって否定できないわ。
けど、固定種のタネは自家採種できるから永続的に栽培が可能よ。だから毎年、栽培する野菜の1割をタネとして温存していくことが大切なの!
「GM種」(遺伝子組み換え種子)
すでに、トウモロコシや大豆、綿実、菜類、じゃがいも、パパイア、アルファルファ、テンサイ(砂糖)
の8種類に及ぶ遺伝子組換え作物が日本へ輸入されとるんやで。
TPP法案の可決後は、遺伝子組換え種子での栽培がゴリ押しされないことを願うばかりや!
遺伝子組換え種子とは読んで字の如く、
動物や微生物など種族の違う異種間の遺伝子を組み替えてつくられるタネのことです。
GM種専用の除草剤や農薬・肥料を使うことが大前提で、それらの薬品に耐えうるよう魚や動物、微生物など
異種間の遺伝子と植物の遺伝子を組み替えてつくるのが最大の特徴です。
たとえば除草剤を散布した場合、雑草は枯れても作物は枯れないように遺伝子を操作したり、予め殺虫剤の役割を担う微生物の遺伝子を組み込むことで、を散布しなくても作物を食べた虫が死ぬように遺伝子操作するなど、
人間が食すことよりも利便性・市場のニーズに重点を置いています。
たとえ、組み込む遺伝子自体は安全でも、異種間の遺伝子を組み合わせる技術はまだまだ未知の領域です。
食すとなれば、もはや人体実験といっても過言やないで!
日本ではGM食品における表示義務はあるけど、油や醤油には表示義務がないんや。
例外規定だらけで想像以上にGM食品が多く出回っとるんやで。
たとえば、原材料に占めるGM作物の重量の割合が上位3番目まで&5%以上でなければ表示の義務がないし、加工後にDNAやそのタンパク質が検出できない場合、家畜のエサに使用した場合も表示義務がないんや!
遺伝子の性質上、すぐに影響がでることはないけど、
映画「ザ・フライ」のような悲惨な結末が訪れても決して不思議やない!
気になる人は、原材料が国内産のものを選択することや!
タネから野菜を選択する時代へ
市場に固定種の野菜が流通するようになれば、野菜の規格がなくなるし、規格外野菜の廃棄問題も少しずつ解消されていくと思うんだ!
それに、“タネから野菜を選ぶ”という新たな選択肢が増えたことで、固定種のお野菜ファンがたくさん増えると嬉しいな
野菜のタネには、「F1種」「固定種」「GM種」の3種類があります。
1950年代までは固定種野菜の時代でしたが、1960年代を境に市場と流通のニーズによって野菜に規格が設けられ、F1種が登場しました。
※現在、国内においてGM種(遺伝子組み換え種子)による栽培は禁止されていますが、GM種を用いた加工食品は輸入されています
そして現在、市場に出回る99%の野菜が「F1種」のタネから栽培されています。
それにより、規格外野菜が生まれて、年間約1,000万トンも廃棄処分されています。
一方、野菜に規格がない固定種の野菜は市場に流通先がなくなり、固定種の野菜を栽培する生産者の数も減り続けた結果、絶滅の危機にあります。
目下、固定種の野菜は、一部の生産者のみが栽培し、自然派の飲食店で取り扱ってもらったり、個人のホームページを立ち上げて直売したり、家族や友人・知人に配るのみに留まっています。
たくさんの方たちに「F1種」「固定種」「GM種」のタネの存在を知ってもらえれば、“タネから野菜を選ぶ”という新たな選択肢が増え、固定種を温存する第一歩となります。
同時に、野菜の規格が設けられた理由や、肥料・農薬などの薬剤を用いる理由を知ってもらえれば、ふたたび固定種野菜に需要と供給が生まれ、固定種野菜の生産者も増えるかもしれません。
これからは、選択の時代です! あなたの選択が固定種野菜の未来を育てます。